クリニックSEOのキーワード選定方法|地域名・症状名・治療名から新患予約につなげる考え方
ホームページやブログを定期的に更新しているのに、検索からの予約がなかなか増えない——。クリニックや歯科医院のWeb集患に取り組むなかで、このような悩みを抱える院長・事務長・Web担当者は少なくありません。
クリニックSEOのキーワード選定では、「検索数が多い言葉」ではなく、「自院に通える患者さんが、受診を検討している段階で検索する言葉」を優先することが重要です。
更新の手間をかけているのに成果につながらない場合、その原因のひとつとして考えられるのが、「キーワード選定が曖昧なまま記事やページを作ってしまっている」という点です。どの言葉で検索する人に届けたいのかが定まらないまま記事を書くと、せっかくの情報が必要な人に届かず、来院や予約につながりにくくなります。
クリニックSEOでは、検索ボリューム(その言葉が月にどれくらい検索されているかの目安)の大きい言葉を狙うだけでは不十分です。検索数が多くても、自院に通えない地域の人や、そもそも受診を考えていない人ばかりが集まってしまえば、予約にはつながりません。
大切なのは、患者さんが実際に検索する「地域名」「症状名」「治療名」を整理し、それぞれに合ったページを用意することです。
本記事では、クリニックSEOのキーワード選定方法を、地域名・症状名・治療名の考え方から、ページへの割り当て方、医療広告ガイドライン上の注意点、公開後の改善方法まで、実務で使える形で解説します。「自院でも確認してみよう」と思える内容を目指していますので、ぜひ最後までご覧ください。
なお、クリニックSEOの全体像については、別記事「クリニックのSEO対策とは?検索から新患予約につなげる基本を解説」でも詳しく解説しています。本記事はそのなかでも「キーワード選定」に絞った内容ですので、あわせてご覧いただくと理解が深まります。
- 1. クリニックSEOではキーワード選定が成果を左右する
- 2. クリニックSEOで狙うべきキーワードの種類
- 3. 地域名キーワードの考え方
- 4. 症状名キーワードの考え方
- 5. 治療名・検査名・施術名キーワードの考え方
- 6. クリニックSEOのキーワード選定手順
- 7. クリニックSEOでは「ブログ記事」と「診療ページ」を分けて考える
- 8. キーワードをページに割り当てる方法
- 9. 診療科別のキーワード選定例
- 10. キーワード選定でやってはいけないこと
- 11. 医療広告ガイドラインに注意すべきキーワード・表現
- 12. 公開後はSearch Consoleで検索クエリを確認する
- 13. クリニックSEOのキーワード選定チェックリスト
- 14. まとめ|キーワード選定は「検索される言葉」と「予約につながるページ」をつなぐ作業
- 自院で狙うべきSEOキーワードがわからない方へ
- 著者情報
1. クリニックSEOではキーワード選定が成果を左右する

クリニックSEOに取り組むとき、多くの方が「とにかく記事を増やせばよい」と考えがちです。しかし、SEO記事をいくら増やしても、狙うキーワードがズレていると、集患にはつながりにくいのが実情です。
たとえば、内科クリニックが「健康とは何か」といった広いテーマの記事をいくら書いても、その記事を読んだ人がそのまま予約してくれるとは限りません。情報を読んで満足して終わってしまい、来院という行動に結びつかないケースが多いのです。
検索ボリュームが大きいキーワードほど良いわけではない
SEOに取り組み始めると、「検索ボリュームの大きいキーワードを狙いたい」と考えてしまいがちです。しかし、検索数が多い言葉ほど競合も多く、上位表示の難易度が高くなります。さらに、検索数が多くても予約につながらない言葉も少なくありません。
クリニックSEOでは、次の3つの観点が特に重要になります。
- 来院可能性:その言葉で検索した人が、自院に通える範囲にいるか
- 予約への近さ:その言葉で検索した人が、受診や予約を考えている段階か
- 自院の診療内容との一致:その言葉に対応できる診療メニューが自院にあるか
「アクセスを増やすキーワード」と「予約につながるキーワード」は違う
ここで意識しておきたいのが、「アクセスを増やすキーワード」と「予約につながるキーワード」は性質が異なるという点です。
アクセスを集めやすいのは、症状や健康に関する一般的な情報を求めている人が検索する言葉です。一方、予約につながりやすいのは、「地域名+診療科」や「地域名+治療名」のように、すでに受診先を探している人が使う言葉です。
両方をバランスよく狙うことが理想ですが、開業直後で記事数が限られている場合は、まず予約につながりやすいキーワードから優先して取り組むことをおすすめします。
このように、キーワード選定はクリニックSEOの成果を大きく左右する出発点です。土台がズレていると、その後どれだけ記事を書いても成果が積み上がりにくくなってしまうのです。
2. クリニックSEOで狙うべきキーワードの種類

クリニックSEOで狙うキーワードは、大きくいくつかの種類に分けられます。種類によって、検索している患者さんの状態(今すぐ受診したいのか、情報収集の段階なのか)が異なり、受け皿として用意すべきページも変わってきます。
まずは全体像を、次の表で確認してみましょう。
| キーワードの種類 | 例 | 患者の状態 | 向いているページ |
|---|---|---|---|
| 地域名×診療科 | 新宿 内科、渋谷 皮膚科、横浜 歯医者 | 通える範囲で医院を探している | トップページ、診療科ページ |
| 地域名×症状 | 新宿 咳が止まらない、渋谷 ニキビ、池袋 腰痛 | 症状の原因や受診先を探している | 症状ページ、ブログ記事 |
| 地域名×病名 | 新宿 花粉症、渋谷 逆流性食道炎、横浜 虫歯治療 | 疾患名を知っており、受診先を探している | 疾患ページ、診療内容ページ |
| 地域名×治療名・検査名 | 渋谷 胃カメラ、銀座 ピコレーザー、新宿 インプラント | 治療・検査・施術を比較している | 治療ページ、検査ページ、自由診療ページ |
| 条件×地域名 | 土曜診療 内科 新宿、女医 皮膚科 渋谷、夜間 歯医者 池袋 | 通いやすさや条件で比較している | 診療案内、アクセス、FAQ |
| 指名検索 | 〇〇クリニック 口コミ、〇〇歯科 料金 | すでに医院を知っており、最終確認している | トップページ、料金ページ、口コミ導線 |
このように、ひと口に「クリニックSEOのキーワード」といっても、患者さんの状態はさまざまです。
たとえば「新宿 内科」と検索する人は、すでに「新宿で内科に通いたい」という意思を持っており、予約に近い状態にあります。一方、「胃がムカムカする 原因」と検索する人は、まだ受診を決めておらず、情報収集の段階にあると考えられます。
同じクリニックでも、これらの患者さんに同じページを見せても、それぞれの知りたいことには十分に応えられません。だからこそ、キーワードの種類を意識し、それぞれの状態に合ったページを用意することが大切なのです。
次の章からは、特に重要な「地域名」「症状名」「治療名」の3つについて、より詳しく考えていきます。
3. 地域名キーワードの考え方

クリニックSEOにおいて、最も基本となるのが地域名を含むキーワードです。
一般的なSEOでは、全国の人に向けた広いキーワードを狙うこともありますが、クリニックの場合は事情が異なります。医療機関は基本的に通院型のサービスであり、患者さんは自宅や職場から通える範囲で受診先を探します。そのため、全国向けのキーワードよりも、地域名を含むキーワードのほうが集患に直結しやすいのです。
地域名にはさまざまな種類がある
地域名キーワードと一口に言っても、実はいくつかの粒度があります。
- 市区町村名:新宿区、渋谷区、横浜市 など
- 駅名:新宿駅、渋谷駅、池袋駅 など
- 町名・エリア名:西新宿、代々木、都庁前 など
- 近隣エリア・生活圏ワード:隣接する駅や地域、よく使われる生活圏の呼び名
- 条件系ワードとの組み合わせ:駅近、土曜診療、夜間診療 など
たとえば新宿駅周辺の内科であれば、「新宿 内科」だけでなく、「西新宿 内科」「都庁前 内科」「新宿 土曜診療 内科」といった組み合わせも考えられます。
地域名は広げすぎない
ここで注意したいのが、地域名を広げすぎないという点です。
「より多くの人に見てもらいたい」と考えて、来院がほとんど見込めない遠方の地域名まで狙ってしまうと、アクセスは増えても予約にはつながりにくくなります。アクセス数だけが増えて、実際の新患予約が伸びない、という状態になりかねません。
大切なのは、自院に来院しやすい範囲を冷静に見極めることです。実際に来院している患者さんがどの地域から来ているかを確認し、現実的に通える範囲の地域名を中心に選ぶとよいでしょう。
地域名キーワードはGoogleマップとの相性も重要
地域名キーワードを考えるうえでは、Googleマップでの見つけられ方も無視できません。「新宿 内科」のような検索では、検索結果の上部にGoogleマップの情報(地図と医院一覧)が表示されることが多く、ここに自院が表示されるかどうかも来院数に影響します。
このGoogleマップでの対策はMEO(マップエンジン最適化)と呼ばれ、地域名キーワードと密接に関係しています。詳しくは「クリニックのMEO対策とは?」で解説していますので、地域名キーワードとあわせて確認しておくとよいでしょう。
また、Googleマップへの情報登録には公式のルールがあります。地域名キーワードやMEOを考える際は、Googleビジネスプロフィールのガイドラインも確認しておくと、適切な情報発信につながります。
4. 症状名キーワードの考え方

地域名キーワードが「すでに受診先を探している人」に向けたものだとすれば、症状名キーワードは「まだ受診を決めていない人」に向けたものです。情報収集の段階にある患者さんとの最初の接点になります。
患者は必ずしも正式な病名で検索しない
症状名キーワードを考えるうえで、最も意識したいのが「医療者が使う言葉と、患者さんが使う言葉にはズレがある」という点です。
医師や医療者は正式な病名や専門用語で物事を捉えますが、患者さんは自分の症状を日常的な言葉で表現して検索します。このズレを埋めないと、患者さんが実際に検索している言葉と、自院の記事で使っている言葉が一致せず、検索結果に表示されにくくなってしまいます。
たとえば、次のような例があります。
- 「逆流性食道炎」という病名だけでなく、患者さんは「胃がムカムカする」「げっぷが止まらない」「胸やけ」といった言葉で検索することがあります
- 「尋常性ざ瘡(じんじょうせいざそう)」という正式名称ではなく、「ニキビが治らない」「大人ニキビ」「あご ニキビ」といった言葉で検索することがあります
正式な病名でしか記事を書いていないと、こうした患者さんの検索にうまく対応できません。患者さんが実際に使う言葉を意識して、記事のなかに自然に取り入れることが大切です。
症状名キーワードでは「患者の不安に答える」ことが重要
症状について検索する患者さんは、多くの場合、不安を抱えています。「この症状は放っておいて大丈夫なのか」「何科を受診すればよいのか」「すぐに病院に行くべきか」といった疑問に、わかりやすく答える記事が求められます。
ただし、記事のなかで診断を下したり、治療の効果を断定したりすることは避けなければなりません。あくまで一般的な情報提供にとどめ、記事の結論では「気になる症状が続く場合は、必要に応じて医療機関を受診しましょう」といった受診への導線を自然に入れることが望ましいです。
このように症状記事から受診・予約へとつなげる考え方については、「クリニックブログで集患する方法」でも詳しく解説しています。症状名キーワードを活用したい方は、あわせて参考になさってください。
5. 治療名・検査名・施術名キーワードの考え方

3つ目のグループが、治療名・検査名・施術名に関するキーワードです。これらは、予約や問い合わせに非常に近いキーワードといえます。
具体的には、次のような言葉が挙げられます。
- 検査名:胃カメラ、大腸カメラ、レントゲン、血液検査 など
- 歯科の治療名:インプラント、ホワイトニング、矯正歯科 など
- 美容系の施術名:医療脱毛、ピコレーザー、ダーマペン など
- その他の治療名:AGA治療、ピル処方 など
これらの言葉で検索する患者さんは、すでに「その治療や検査を受けたい」あるいは「受けるかどうか検討している」段階にあります。そのため、適切なページを用意できれば、予約につながりやすいのが特徴です。
患者が知りたい情報を具体的に書く
治療名・検査名で検索する患者さんは、次のような点を知りたがっています。
- 費用はどれくらいかかるのか
- 痛みはあるのか
- 治療や通院は何回必要か
- 副作用やダウンタイム(施術後に元の生活に戻るまでの期間)はあるのか
- 保険は適用されるのか
- どのように予約すればよいのか
これらの情報をページにきちんと記載することで、患者さんの不安や疑問が解消され、予約につながりやすくなります。
自費診療では特に丁寧な記載が必要
特に自費診療(保険が適用されない診療)の治療・施術については、費用、リスク、副作用、治療期間、回数などの情報を適切に記載する必要があります。これは患者さんへの誠実な情報提供であると同時に、医療広告ガイドライン上の観点からも重要です。
医療機関のホームページやブログには、一般の広告よりも厳しいルールが適用されます。表現を考える際は、厚生労働省の「医療法における病院等の広告規制について」を確認しておくことが重要です。あわせて、具体的な表現の考え方については、厚生労働省の「医療広告ガイドライン」も参考になります。
治療名・検査名キーワードは予約に近いぶん、表現には十分な配慮が求められます。「集患したい」という気持ちが先行して過度な表現にならないよう、患者さんに正確な情報を届けることを第一に考えましょう。
6. クリニックSEOのキーワード選定手順

ここからは、実際にキーワードを選定していく手順を、7つのステップに分けて解説します。順番に進めていくことで、自院に合ったキーワードを整理できます。
STEP1. 自院の診療メニューをすべて洗い出す
最初に行うのは、自院でどのような診療を行っているかをすべて書き出すことです。
- 保険診療のメニュー
- 自費診療のメニュー
- 検査・処置の内容
- 予防(予防接種、健康診断など)
- 相談として受けている内容
このとき、メニュー表に載っている項目だけでなく、院内でよく相談される内容も含めるのがポイントです。「実は問い合わせが多いが、ホームページには載せていない」という内容が見つかることもあります。
STEP2. 来院可能な地域名を洗い出す
次に、自院に来院しやすい地域名を整理します。
- 市区町村名
- 駅名
- 町名・エリア名
- 近隣エリア
ここでは、実際に患者さんが来院している地域を確認することが大切です。受付での聞き取りやアンケート、予約時の情報などから、どの地域から患者さんが来ているかを把握しましょう。
そして、地域名を広げすぎず、通院可能性を重視して選びます。現実的に通える範囲を中心に整理することで、予約につながりやすいキーワードに絞り込めます。
STEP3. 患者が使う症状表現を集める
第4章でも触れたとおり、患者さんは医療者とは違う言葉で症状を表現します。そこで、患者さんが実際に使う言葉を集めます。情報源としては、次のようなものがあります。
- 問診票に書かれている表現
- 受付への電話問い合わせの内容
- 初診時によく聞かれる相談
- Googleのサジェスト(検索窓に入力したときに表示される候補)
- Search Consoleの検索クエリ(実際に検索された言葉のデータ)
- Google広告を運用している場合は、検索語句のレポート
- 口コミに出てくる表現
院内に蓄積されている情報は、患者さんのリアルな言葉の宝庫です。日々の業務のなかで触れている表現を、意識して拾い上げてみましょう。
STEP4. キーワードツールで候補を広げる
院内の情報を集めたら、キーワードツールを使って候補を広げます。代表的なツールには次のものがあります。
- Googleキーワードプランナー(検索ボリュームの目安を確認できる)
- ラッコキーワード(関連キーワードを一覧で取得できる)
- Google検索のサジェスト
- Google検索結果の下部に表示される関連検索
- Search Console
ただし、ツールが示す数字(検索ボリュームなど)だけで判断しないことが重要です。数字はあくまで目安であり、自院にとって本当に価値があるキーワードかどうかは、これまでのステップで整理した情報とあわせて総合的に判断する必要があります。
STEP5. 検索意図で分類する
集めたキーワードは、患者さんがどのような意図で検索しているか(検索意図)で分類すると、対応方針が明確になります。
| 検索意図 | 例 | 対応方針 |
|---|---|---|
| 今すぐ受診したい | 新宿 内科、渋谷 胃カメラ | 診療ページ・予約導線を強化 |
| 症状について知りたい | 咳が止まらない 原因、胃がムカムカする | 症状記事・受診目安記事を作成 |
| 治療を比較したい | インプラント 費用、ピコレーザー ダウンタイム | 治療ページ・料金ページを整備 |
| 医院を比較したい | 〇〇クリニック 口コミ、〇〇歯科 評判 | 口コミ・医師紹介・アクセス情報を整備 |
このように分類することで、「このキーワードにはどんなページで応えるべきか」が見えてきます。
STEP6. 優先順位を決める
すべてのキーワードに一度に対応するのは現実的ではありません。そこで、優先順位を決めます。判断の観点としては、次のようなものがあります。
- 予約につながりやすいか
- 自院の診療内容と一致しているか
- 競合が強すぎないか
- 地域性があるか
- 医療広告ガイドライン上、無理のない表現で書けるか
- 記事作成後に、受け皿となる診療ページがあるか
ここで特に意識したいのが、検索ボリュームよりも「予約への近さ」を優先するという考え方です。検索数が少なくても予約につながりやすいキーワードは、開業直後のクリニックにとって貴重な集患の入り口になります。
STEP7. キーワードをページに割り当てる
最後に、選んだキーワードをどのページで狙うかを決めます。基本となる考え方は次のとおりです。
- 1ページ1テーマを基本にする
- 同じキーワードで複数ページを作りすぎない
- 診療ページ、症状ページ、ブログ記事、FAQページの役割を分ける
特に、診療ページの設計はクリニックSEOの土台になります。キーワードを診療ページにどう割り当てるかについては、「クリニックの診療内容ページの作り方」もあわせて確認すると理解しやすくなります。
このページへの割り当てについては、次の章でさらに詳しく見ていきましょう。
7. クリニックSEOでは「ブログ記事」と「診療ページ」を分けて考える

キーワードを選ぶときに、もうひとつ重要なのが「そのキーワードはブログ記事で狙うべきか、診療ページで狙うべきか」を分けて考えることです。
クリニックSEOでは、すべてのキーワードをブログ記事で対策すればよいわけではありません。予約に近いキーワードほど、ブログ記事ではなく、診療内容ページ・治療ページ・検査ページなどの「受け皿ページ」で対応した方が成果につながりやすくなります。
たとえば、「渋谷 胃カメラ」と検索している人は、胃カメラについて一般的に知りたいというよりも、渋谷周辺で検査を受けられる医療機関を探している可能性があります。この場合、ブログ記事で胃カメラの概要を説明するだけでは不十分です。検査の流れ、費用、対応時間、予約方法、医師の説明、苦痛への配慮などをまとめた胃カメラ検査ページを用意した方が、予約につながりやすくなります。
一方で、「胃がムカムカする 原因」と検索している人は、まだ受診先を探す前の情報収集段階かもしれません。この場合は、症状の原因や受診の目安を説明するブログ記事・症状記事が向いています。記事内で不安を解消し、必要に応じて診療ページや予約ページへ案内する流れを作るとよいでしょう。
キーワードごとに向いているページは異なる
キーワードとページ種別の関係を整理すると、次のようになります。
| キーワードの種類 | 向いているページ | 理由 |
|---|---|---|
| 地域名×診療科 | トップページ・診療科ページ | すでに通院先を探しているため、診療時間・アクセス・予約導線を見せやすい |
| 地域名×治療名・検査名 | 診療内容ページ・治療ページ・検査ページ | 比較検討中の患者さんに、内容・費用・流れ・予約方法を詳しく説明できる |
| 症状名 | ブログ記事・症状ページ | まだ受診前の情報収集層に届きやすく、受診目安を伝えやすい |
| 費用・副作用・回数 | 治療ページ・FAQページ | 予約前の不安や疑問を解消しやすい |
| 口コミ・評判 | Googleビジネスプロフィール・口コミ導線・院内導線 | 指名検索後の比較離脱を防ぎやすい |
このように、キーワード選定は「どの言葉を狙うか」だけでなく、「どのページで受け止めるか」まで考えて初めて実務に落とし込めます。
ブログ記事は集客、診療ページは予約導線を担う
ブログ記事の役割は、まだ受診を決めていない患者さんとの接点を作ることです。症状の原因、受診の目安、治療の選択肢などをわかりやすく伝えることで、検索から自院を知ってもらう入口になります。
一方、診療ページや治療ページの役割は、比較検討中の患者さんを予約へ近づけることです。診療内容、検査・治療の流れ、費用、よくある質問、医師の説明、予約方法などを整理し、患者さんが「ここに相談してみよう」と判断できる情報を用意します。
つまり、ブログ記事と診療ページは競合するものではなく、役割が違います。症状記事で患者さんの悩みに答え、そこから関連する診療ページへ内部リンクで案内することで、検索流入を予約導線につなげやすくなります。
診療内容ページの設計については、「クリニックの診療内容ページの作り方」でも詳しく解説しています。キーワードを選ぶだけでなく、そのキーワードを受け止めるページの作り方もあわせて確認しておきましょう。
8. キーワードをページに割り当てる方法

キーワード選定でつまずきやすいのが、「キーワードは集めたが、どのページで狙えばよいかわからない」という点です。
ここで大切なのは、キーワード選定とページ設計を分けて考えないことです。「このキーワードを狙う」と決めるのと同時に、「そのためにどのページを用意するか」をセットで考える必要があります。受け皿となるページがないキーワードは、いくら選定しても成果につながりません。
具体的な割り当てのイメージを、次の表で確認してみましょう。
| キーワード例 | 作るべきページ | 目的 |
|---|---|---|
| 渋谷 内科 | トップページ、内科ページ | 通院先を探している患者を予約へつなげる |
| 渋谷 胃カメラ | 胃カメラ検査ページ | 検査を検討している患者を予約へつなげる |
| 胃カメラ 苦しくない 渋谷 | 胃カメラ検査ページ、補足記事 | 不安を解消して予約につなげる |
| 胃がムカムカする 原因 | 症状記事、疾患記事 | 情報収集段階の患者に受診目安を伝える |
| 逆流性食道炎 渋谷 | 疾患ページ、診療内容ページ | 疾患名を知っている患者を来院につなげる |
| 土曜診療 皮膚科 渋谷 | 診療案内、アクセス、FAQ | 通いやすさで比較している患者に対応する |
| 〇〇クリニック 口コミ | Googleビジネスプロフィール、口コミ導線 | 指名検索後の比較離脱を防ぐ |
この表からわかるように、同じ「胃カメラ」に関連するキーワードでも、患者さんの状態によって作るべきページは変わります。
「渋谷 胃カメラ」と検索する人には、検査の内容や流れ、費用、予約方法を伝える検査ページが適しています。一方、「胃がムカムカする 原因」と検索する人には、まず症状について丁寧に説明し、受診の目安を伝える症状記事が適しています。同じ診療内容でも、入り口となるキーワードによって最適なページが異なるのです。
そして、それぞれのページをどう書いていくかも重要です。検索意図に合った構成や本文の作り方については、「クリニックのSEO記事の書き方」で詳しく解説しています。キーワードをページに割り当てたら、次はその中身をどう作るかを確認するとよいでしょう。
9. 診療科別のキーワード選定例

ここまでの考え方を、診療科別に具体例で見ていきましょう。自院に近い診療科の例を参考に、地域名・症状名・治療名をイメージしてみてください。
内科
- 地域名×診療科:新宿 内科、渋谷 内科
- 症状名:発熱、咳、腹痛、胃もたれ、だるい
- 治療・検査名:健康診断、胃カメラ、血液検査、生活習慣病治療
内科は対応範囲が広いため、症状名キーワードが豊富にあります。患者さんが日常的な言葉で検索しやすい診療科なので、症状記事から受診へつなげる流れが特に有効です。
皮膚科
- 地域名×診療科:渋谷 皮膚科、新宿 皮膚科
- 症状名:ニキビ、かゆみ、湿疹、じんましん、かぶれ
- 治療名:ニキビ治療、アトピー治療、いぼ治療、粉瘤手術
皮膚科は、見た目に関わる悩みも多く、患者さんが具体的な症状で検索する傾向があります。症状名と治療名の両方をバランスよく整理するとよいでしょう。
歯科
- 地域名×診療科:新宿 歯医者、横浜 歯科
- 症状名:歯が痛い、歯茎が腫れた、詰め物が取れた
- 治療名:虫歯治療、インプラント、ホワイトニング、矯正歯科
歯科は「歯医者」という言葉で検索されることも多く、地域名×診療科のキーワードが重要です。あわせて、インプラントやホワイトニングなど、予約に近い治療名キーワードも狙いやすい診療科です。
美容皮膚科・美容外科
- 地域名×診療科:銀座 美容皮膚科、表参道 美容外科
- 悩み名:シミ、たるみ、毛穴、ニキビ跡、しわ
- 施術名:ピコレーザー、ダーマペン、医療脱毛、ボトックス、ヒアルロン酸
美容皮膚科・美容外科は、多くが自由診療(自費診療)にあたります。そのため、費用・リスク・副作用・治療回数・ダウンタイムの記載に特に注意が必要です。施術名キーワードは予約に近く魅力的ですが、医療広告ガイドラインへの配慮を欠かさず、患者さんに正確な情報を伝えることが求められます。
整形外科
- 地域名×診療科:新宿 整形外科、池袋 整形外科
- 症状名:腰痛、肩こり、膝の痛み、首の痛み
- 治療・検査名:リハビリ、レントゲン、骨粗しょう症検査
整形外科は、腰痛や肩こりなど、多くの人が抱える身近な症状が多い診療科です。症状名キーワードで情報を求める患者さんと接点を持ちやすく、リハビリや検査につなげる流れが考えられます。
このように、診療科によって狙いやすいキーワードの種類は異なります。自院の診療科に合わせて、地域名・症状名・治療名のどこに重点を置くかを考えてみましょう。
10. キーワード選定でやってはいけないこと

ここまで「やるべきこと」を中心に解説してきましたが、よくある失敗パターンを知っておくことも大切です。次のような点に当てはまっていないか、自院を振り返ってみてください。
- 全国キーワードばかり狙う:通院型のクリニックでは、地域名を含まない全国向けキーワードはアクセスが増えても予約につながりにくくなります。
- 検索ボリュームだけで選ぶ:数字の大きさだけで判断すると、競合が強すぎたり、予約から遠い言葉ばかりになったりします。
- 専門用語だけで記事を書く:患者さんが使う言葉とズレてしまい、検索に表示されにくくなります。
- 自院で対応していない診療・治療を狙う:アクセスがあっても、対応できなければ予約にはつながらず、患者さんの期待を裏切ることにもなります。
- 1ページに複数テーマを詰め込みすぎる:何のページかが曖昧になり、検索エンジンにも患者さんにも内容が伝わりにくくなります。
- 同じような記事を量産する:内容が重複した記事を増やすと、ページ同士で評価が分散してしまうことがあります。
- 予約導線がない記事を作る:せっかく読んでもらっても、予約への案内がなければ行動につながりません。
- 医療広告ガイドラインに抵触しそうな表現を使う:検索されやすい言葉でも、広告表現として不適切なものは避ける必要があります。
- 他院名や競合クリニック名を不自然に狙う:他院の名前を狙ったキーワード設定は、トラブルのもとになりかねません。
- AIで作った記事を医療的な確認なしに公開する:効率化は有効ですが、医療情報は専門家による確認が欠かせません。
これらは、いずれも「成果につながらない」だけでなく、場合によっては医院の信頼を損なうリスクもあります。避けるべきSEO施策については、「クリニックSEOでやってはいけないこと12選」もあわせて確認しておくと安心です。
11. 医療広告ガイドラインに注意すべきキーワード・表現

クリニックSEOでは、検索されやすい言葉であっても、広告表現として適切かどうかを確認する必要があります。医療機関のホームページやブログには、一般の広告よりも厳しいルールが適用されるためです。
特に注意したい表現と、その理由、言い換えの例を次の表にまとめました。
| 注意したい表現 | 注意が必要な理由 | 言い換え例 |
|---|---|---|
| 絶対治る | 効果保証に見える可能性がある | 症状や状態に応じて治療方法を検討します |
| 地域No.1 | 比較優良表現に該当する可能性がある | 地域の患者さまに選ばれる医院を目指しています |
| 最高の治療 | 最上級表現に該当する可能性がある | 患者さまの状態に合わせた治療を提案します |
| 安全な治療 | リスクがないように受け取られる可能性がある | リスクや副作用についても事前に説明します |
| 痛くない治療 | 個人差があるため断定に注意が必要 | 痛みに配慮した治療を心がけています |
| 失敗しない | 結果保証に見える可能性がある | 治療前にリスクや注意点を説明します |
| 最新治療 | 客観的根拠が必要 | 導入している治療機器や治療方法を具体的に記載します |
このように、患者さんを惹きつけたいという気持ちから使いがちな表現の多くが、医療広告ガイドライン上は注意が必要なものに該当します。
キーワード選定の段階から、「この言葉を狙うと、ページ内でどんな表現が必要になるか」を意識しておくことで、後から表現を修正する手間を減らせます。たとえば「痛くない 治療」というキーワードを狙う場合でも、ページ内では「痛みに配慮した治療を心がけています」といった表現にとどめる、といった考え方です。
あわせて、次の点も押さえておきましょう。
- 自由診療では、費用、リスク、副作用、治療期間、回数などを明記する必要があります
- 医療記事はSEOのためだけでなく、患者さんに誤解を与えない情報提供であることが何より重要です
具体的な表現の判断に迷ったときは、厚生労働省の「医療広告ガイドライン」を参照し、必要に応じて専門家に確認することをおすすめします。SEOの成果を追うあまり、ガイドラインへの配慮がおろそかにならないよう注意しましょう。
12. 公開後はSearch Consoleで検索クエリを確認する

キーワード選定は、記事やページを公開する前だけで終わる作業ではありません。むしろ、公開してからが本番ともいえます。
公開後は、実際にどのような言葉で検索されて自院のページが表示されているかを確認し、改善に活かしていきます。このときに役立つのが、Googleが無料で提供しているGoogle Search Consoleというツールです。
Search Consoleで確認したいポイント
Search Consoleでは、次のような点を確認できます。
- 検索クエリ:実際に検索された言葉。想定外のクエリで表示されていれば、その言葉に合わせて記事を追記したり、見出しを修正したりすることで、さらに成果を伸ばせる可能性があります
- 表示回数とクリック率:表示回数はあるのにクリック率が低い場合は、タイトルやディスクリプション(検索結果に表示される説明文)を見直すサインです
- 掲載順位:掲載順位が低い場合は、本文の網羅性、内部リンク、検索意図との一致を見直すことを検討します
たとえば、内科の記事を公開したところ、想定していなかった「だるい 続く」という言葉でよく表示されていることがわかったとします。その場合、記事にその症状についての説明を加えることで、より多くの患者さんの検索に応えられるようになります。
このように、Search Consoleのデータをもとにキーワード選定を見直していくことで、机上の予想だけでは気づけなかった患者さんのニーズを発見できます。
Search Consoleの導入方法は、Google公式の「Search Consoleのスタートガイド」で確認できます。まだ導入していない場合は、この機会に設定しておくとよいでしょう。
また、SEOの基本的な考え方をあらためて押さえたい場合は、Google検索セントラルの「SEOスターターガイド」もおすすめです。検索エンジンとユーザーがコンテンツを理解しやすくするための基本が、わかりやすく解説されています。
13. クリニックSEOのキーワード選定チェックリスト

ここまでの内容を、自院で確認できるチェックリストにまとめました。一つひとつ確認しながら、自院のキーワード選定が抜け漏れなく進められているかを振り返ってみてください。
- [ ] 自院の診療メニューをすべて洗い出したか
- [ ] 保険診療・自費診療・検査・処置を分けて整理したか
- [ ] 来院可能な地域名を市区町村・駅名・近隣エリアで整理したか
- [ ] 患者が使う症状表現を拾ったか
- [ ] 専門用語だけでなく、患者の言葉も入れているか
- [ ] 治療名・検査名・施術名を整理したか
- [ ] 検索意図を分類したか
- [ ] 予約に近いキーワードを優先しているか
- [ ] 各キーワードを適切なページに割り当てたか
- [ ] 同じテーマの記事を重複して作っていないか
- [ ] 医療広告ガイドラインに抵触しそうな表現がないか
- [ ] 公開後にSearch Consoleで検索クエリを確認する体制があるか
すべてにチェックがつかなくても問題ありません。できていない項目から、少しずつ取り組んでいくことが大切です。特に、開業直後で手が回らない場合は、まず「来院可能な地域名」と「予約に近いキーワード」の整理から始めることをおすすめします。
14. まとめ|キーワード選定は「検索される言葉」と「予約につながるページ」をつなぐ作業

最後に、本記事の要点を振り返ります。
- クリニックSEOでは、検索ボリュームだけでキーワードを選ばないことが大切です
- 患者さんが使う言葉を、地域名・症状名・治療名の3つに分けて考えると整理しやすくなります
- 患者さんが使う日常的な言葉と、医療者が使う専門用語の両方を意識する必要があります
- キーワードごとに、トップページ、診療ページ、症状記事、治療ページ、FAQページなどへ適切に割り当てることが重要です
- 検索されやすい言葉であっても、医療広告ガイドラインへの配慮は欠かせません
- 公開後はSearch Consoleで実際の検索クエリを見ながら、継続的に改善していきます
キーワード選定とは、つきつめれば「患者さんが実際に検索する言葉」と「予約につながるページ」をつなぐ作業です。この2つを丁寧につないでいくことが、検索からの新患予約につながります。
そして、キーワード選定から記事制作、公開後の改善運用までを一貫して行うことで、施策の効果は積み上がっていきます。一度に完璧を目指す必要はありません。本記事のチェックリストを手がかりに、自院でできるところから取り組んでみてください。
なお、記事制作を外部に依頼することを検討している場合は、「医療記事制作代行の選び方」や「クリニックブログ外注の選び方」で確認すべきポイントを解説していますので、あわせて参考になさってください。
自院で狙うべきSEOキーワードがわからない方へ

クリニックSEOでは、検索ボリュームの大きいキーワードを選ぶだけでは十分ではありません。自院の診療内容、来院可能な地域、競合状況、患者さんの検索意図を整理したうえで、「どのキーワードを、どのページで狙うか」を決めることが重要です。
エレファント・ブレイン合同会社の「スマートコラム」では、クリニック・歯科医院向けに、SEOキーワードの選定、記事構成、本文作成、内部リンク設計、公開後の改善まで一貫して支援しています。
- 「自院の場合、どのキーワードから対策すべきかわからない」
- 「ブログを書いているが、予約につながっていない」
- 「診療ページとブログ記事の使い分けがわからない」
- 「医療広告ガイドラインに配慮したSEO記事を作りたい」
という方は、「無料相談・HP無料診断」からお気軽にご相談ください。現在のホームページや診療内容を確認したうえで、優先して狙うべきキーワードの方向性をご提案します。
著者情報
この記事は、エレファント・ブレイン合同会社 代表の生井 亮が執筆・監修しています。生井は、医療広告ガイドライン・薬機法・景品表示法などの広告関連法規に配慮したWeb集患支援を行っており、YMAA個人認証、KTAA個人認証、Google広告「検索広告」認定資格、Google広告「測定」認定資格を取得しています。クリニック・歯科医院向けに、SEOコラム制作、ホームページ改善、MEO対策、Web広告運用を支援しています。
