クリニックSEOをSearch Consoleで改善する方法|表示回数・CTR・順位・検索クエリの見方
クリニックのSEO記事やブログは、公開した時点がゴールではありません。むしろ、公開してからが本当のスタートだと考えていただくのがよいかもしれません。
記事を公開したあとに大切なのは、「どの記事が検索結果に表示されているのか」「どんな検索クエリ(検索ユーザーが実際に入力した言葉)で見られているのか」「表示されたうち、どれくらいクリックされているのか」を確認することです。ここを確認せずに新しい記事を書き続けても、自院のサイトのどこに伸びしろがあるのかが見えないまま、なんとなくの感覚で運用することになってしまいます。
そこで役立つのが、Googleが無料で提供しているSearch Console(サーチコンソール)です。Search Consoleを使えば、表示回数・クリック数・CTR(クリック率)・平均掲載順位・検索クエリといった、検索からの流入に関する数字を確認できます。これらの数字は、感覚ではなくデータをもとに「どの記事を、どう直すべきか」を判断するための材料になります。
本記事では、クリニック・歯科医院・美容皮膚科・美容外科などの院長、事務長、Web担当者の方に向けて、Search Consoleの基本的な見方から、どのページをどう改善し、最終的に新患の予約・問い合わせにどうつなげるかまでを、できるだけ平易な言葉で解説します。
なお、SEOそのものの基本的な考え方をまだ整理できていない場合は、先にクリニックのSEO対策とは?をあわせてご覧いただくと、本記事の内容がより理解しやすくなります。
- この記事でわかること
- Search Consoleとは?クリニックSEOで使うべき理由
- クリニックSEOで見るべき4つの指標
- Search Consoleで最初に見るべき画面
- Search Consoleを使ったクリニックSEO改善の基本手順
- 表示回数が多いのにクリックされない記事の改善方法
- 平均掲載順位11〜20位の記事を改善する方法
- 検索クエリから新しい記事テーマを見つける方法
- 伸びている記事から診療ページへ内部リンクを追加する
- CTR・順位・表示回数ごとの改善優先順位
- Search Consoleだけでは見えないこと
- 医療広告ガイドラインに配慮して改善する
- AIO・MEOとSearch Consoleの関係
- 月1回のSearch Console改善チェックリスト
- 自院で改善するのが難しい場合は外注も選択肢
- まとめ
- この記事の著者
この記事でわかること
本記事では、Search Consoleの機能説明だけでなく、クリニックSEOの改善にどう使うかを実務目線で解説します。
- Search ConsoleでクリニックSEOのどの数字を見るべきか
- 表示回数・クリック数・CTR・平均掲載順位の読み方
- 表示回数は多いのにクリックされない記事の改善方法
- 11〜20位の記事をリライトする手順
- 検索クエリから新しい記事テーマを見つける方法
- SEO記事から診療ページ・予約導線につなげる方法
- Search Consoleだけでは見えない予約・問い合わせの確認方法
- 医療広告ガイドラインに配慮しながら記事を改善する考え方
「記事を書いたあと、何を見て、どこを直せばよいのか分からない」という方は、まずこの流れを押さえておくと、SEO改善の優先順位を決めやすくなります。
Search Consoleとは?クリニックSEOで使うべき理由

Search Consoleは、Google検索における自院サイトの表示状況を確認できる無料ツールです。Googleアカウントとサイトの所有権確認があれば導入でき、費用はかかりません。
このツールでは、主に次のような情報を確認できます。
- どんな検索クエリで自院のページが表示されているか
- それぞれのページが何回表示されたか(表示回数)
- 何回クリックされたか(クリック数)
- 表示回数に対するクリックの割合(CTR)
- 検索結果の中での平均的な順位(平均掲載順位)
ツールの概要や導入方法については、Google Search Console公式ページで確認できます。導入がまだの方は、ここから始めるとよいでしょう。
クリニックSEOでSearch Consoleを使う目的は、突き詰めると次の3点に整理できます。
- どの記事が見られているかを把握する — どのページに検索からの流入が集まっているのかが分かります。
- どのキーワードで表示されているかを把握する — 想定していたキーワードで表示されているのか、あるいは思わぬクエリで見られているのかが分かります。
- 予約につながる導線があるかを見直すきっかけにする — 流入が多い記事から、診療内容ページや予約ページへ自然に進めるようになっているかを点検できます。
これらは、Web担当者の方の「なんとなくこの記事が読まれていそう」という感覚を、実際の数字で裏づける作業でもあります。感覚と数字がずれていることは珍しくありません。だからこそ、データをもとに記事改善ができる点が、Search Consoleを使う大きな意味になります。
なお、表示回数やクリック数などをまとめて確認できる画面は「検索パフォーマンス」と呼ばれており、その詳しい見方はSearch Consoleのパフォーマンスレポートに説明があります。実際の画面を触りながら本記事を読み進めると、より理解しやすいかと思います。
クリニックSEOで見るべき4つの指標

Search Consoleにはさまざまな機能がありますが、まず押さえておきたいのは、検索パフォーマンスで確認できる4つの基本指標です。クリック数・表示回数・CTR・平均掲載順位の4つです。
それぞれの指標が何を意味するのかは、Googleの公式説明である表示回数・掲載順位・クリック数の考え方でも確認できます。定義の正確な部分は公式の説明にあたっていただくとして、ここではクリニックの実務でどう読み解けばよいかという観点で整理します。
クリック数
クリック数は、検索結果から実際に自院サイトへ訪れた回数です。
クリック数があるページは、すでに検索からの流入が発生しているページです。つまり、検索ユーザーがそのページを選んで訪れているということになります。
クリニックSEOの観点では、クリック数があるページは改善の優先度が高いといえます。なぜなら、すでに人が来ているページに対して、診療内容ページへの導線や予約への導線を整えるほうが、まだ誰も来ていないページをゼロから育てるよりも、予約や問い合わせにつながりやすいと考えられるからです。
表示回数
表示回数は、検索結果に自院のページが表示された回数です。クリックされたかどうかにかかわらず、検索結果の画面に表示された回数をカウントします。
表示回数が多いページは、その内容に対する検索需要が一定程度ある可能性があります。多くの人がそのテーマで検索し、そのたびに自院のページが候補として表示されている、という状態だからです。
注意したいのは、表示回数が多いのにクリックが少ないページです。これは「検索結果には出ているが、選ばれていない」状態を意味します。この場合、タイトルやメタディスクリプション(検索結果に表示される説明文)に改善の余地があることが多く、後ほど詳しく解説します。
CTR
CTR(クリック率)は、表示されたうち何%がクリックされたかを示す指標です。たとえば100回表示されて5回クリックされた場合、CTRは5%です。
CTRが低い場合に確認したいのは、主に次の3点です。
- タイトル — 検索ユーザーの目に留まり、内容が伝わるタイトルになっているか
- メタディスクリプション — 誰に向けた、何が分かる記事なのかが伝わっているか
- 検索意図とのズレ — そのクエリで検索する人が知りたいことと、記事の内容が合っているか
CTRを高めるには、検索ユーザーが「これは自分の悩みに答えてくれそうだ」と感じられるタイトルにすることが大切です。クリニックの場合、専門的に正確であることはもちろん重要ですが、来院を検討している方の不安や疑問に寄り添った言葉になっているかどうかも、あわせて見直す価値があります。
平均掲載順位
平均掲載順位は、検索結果における自院ページの平均的な順位です。
特に注目したいのが、平均掲載順位が11〜20位あたりのページです。検索結果は通常、1ページに10件ほど表示されるため、11〜20位はちょうど2ページ目に位置します。あと少し順位が上がれば1ページ目に入る可能性があり、リライト(記事の書き直し・追記)の効果が出やすい位置だといえます。
ただし、平均掲載順位はあくまで目安として見ることが大切です。検索順位は、検索クエリ、地域、利用している端末(スマートフォンかパソコンか)などによって変わります。同じページでも、ある地域では8位、別の地域では15位ということもあり得ます。ひとつの数字を絶対視せず、傾向をつかむための指標として捉えるのがよいでしょう。
Search Consoleで最初に見るべき画面

指標の意味が分かったところで、実際にどの画面から見ればよいかを整理します。
Search Consoleで中心となるのは「検索パフォーマンス」の画面です。この画面では、次のようなタブや切り口でデータを確認できます。
- クエリ — どんな検索キーワードで表示・クリックされているか
- ページ — どのURL(ページ)が表示・クリックされているか
- 国 — どの国からアクセスされているか
- デバイス — パソコン・スマートフォン・タブレットのどれで見られているか
- 検索での見え方 — 通常の検索結果や、その他の表示形式での見え方
また、期間を指定して「日付比較」を行うこともできます。たとえば「先月と今月」を比較すると、表示回数やクリック数が増えたページ、減ったページが分かります。
さらに、特定のページを選んでから「クエリ」を見ると、そのページがどんな検索クエリで表示されているのかを確認できます。これは「このページ、自分では◯◯の記事のつもりだったが、実は△△というクエリでよく表示されていた」といった発見につながる、とても有用な使い方です。
クリニックSEOでは、まず「ページ」と「クエリ」の2つを見ると、改善点を見つけやすいです。「どのページが流入を集めているか(ページ)」と「そのページがどんな言葉で見られているか(クエリ)」を組み合わせて見ることで、改善の方向性が具体的になります。
検索クエリを分析していくと、自院がこれまで意識していなかったキーワードのニーズが見えてくることがあります。こうしたクエリ分析を、今後のキーワード選びにどう活かすかについては、クリニックSEOのキーワード選定方法でも整理していますので、あわせてご覧ください。
Search Consoleを使ったクリニックSEO改善の基本手順

Search Consoleは、数字を眺めるだけでは成果につながりません。大切なのは、数字を見たあとに「どの記事を、どう直すか」まで決めることです。
クリニックSEOでSearch Consoleを使う場合は、次の流れで確認すると、改善作業に落とし込みやすくなります。
- 検索パフォーマンスを開く
まずはSearch Consoleの検索パフォーマンス画面を開き、クリック数・表示回数・CTR・平均掲載順位を確認します。 - 表示回数が多いページを確認する
表示回数が多いページは、検索需要があるテーマです。クリックが少ない場合でも、タイトルや説明文を改善する余地があります。 - CTRが低いページを確認する
検索結果には表示されているのに選ばれていないページです。SEOタイトルやメタディスクリプションが、検索ユーザーの悩みに合っているかを見直します。 - 平均掲載順位11〜20位の記事を探す
2ページ目付近にある記事は、追記や内部リンク追加によって順位改善を狙いやすい候補です。 - ページごとの検索クエリを見る
そのページがどんな言葉で表示されているのかを確認します。想定外のクエリがあれば、追記や新規記事のヒントになります。 - 不足している見出しを追記する
検索クエリを見て、読者が知りたいのに本文で十分に答えられていない内容があれば、H2やH3として追加します。 - 診療ページへの内部リンクを追加する
流入がある記事から、関連する診療内容ページへ自然に移動できるようにします。SEO記事を読んで終わりではなく、次の行動につなげるためです。 - GA4や予約数と合わせて成果を確認する
Search Consoleでは検索結果上の数字は確認できますが、問い合わせ完了やWeb予約完了までは見えません。GA4、予約システム、問い合わせ件数とあわせて確認します。
この流れを月1回でも続けると、「どの記事を増やすか」だけでなく、「どの記事を伸ばすか」「どの記事から予約導線を強化するか」を判断しやすくなります。
表示回数が多いのにクリックされない記事の改善方法

ここからは、具体的な改善パターンを見ていきます。最初に取り上げたいのが、「表示回数は多いのに、クリックが少ない記事」です。
表示回数が多いということは、そのテーマに対する検索需要は一定程度あると考えられます。需要があるにもかかわらずクリックされないのは、もったいない状態です。
クリックされない主な理由としては、次のようなものが考えられます。
- タイトルが弱く、検索結果の中で目に留まりにくい
- 検索意図とタイトル・内容がずれている
- タイトルが抽象的で、何が分かる記事なのか具体性がない
- 競合の記事と比べて、魅力や分かりやすさで見劣りしている
改善の方向性としては、次のような点を見直すとよいでしょう。
- SEOタイトルに「地域名・診療科・悩み」を入れる — 誰の、どんな悩みに答える記事なのかを明確にします。
- メタディスクリプションに「対象読者」と「記事の答え」を入れる — 「こんな方に向けて、こういうことが分かります」という内容を簡潔に示します。
- 冒頭文で結論を早めに伝える — 読者が「自分が求めていた情報がありそうだ」とすぐ感じられるようにします。
- 記事タイトルと本文内容を一致させる — タイトルで期待させた内容が本文にきちんとある状態にします。
- 誇張表現ではなく、具体的で分かりやすい表現にする — 過度な言い回しは避け、事実ベースで分かりやすく伝えます。
言葉だけでは分かりにくいので、クリニック向けの改善例を挙げます。
改善例(皮膚科・美容皮膚科)
- 改善前:ニキビについて
- 改善後:ニキビ治療は皮膚科と美容皮膚科どちらに相談すべき?違いと受診目安を解説
「ニキビについて」では、何が書かれているのかが伝わりません。改善後のように、読者が抱きやすい疑問(どちらに相談すべきか)と、記事で分かること(違いと受診目安)を盛り込むことで、検索ユーザーが内容を想像しやすくなります。
改善例(歯科医院)
- 改善前:親知らずの抜歯
- 改善後:親知らずの抜歯は痛い?受診目安・治療の流れ・注意点を歯科医院が解説
「親知らずの抜歯」だけでは、内容も視点も伝わりません。改善後のように、読者が気にしていること(痛みや受診の目安、流れ)を具体的に示すと、クリックの判断材料になります。
こうしたタイトルや説明文の改善は、医療広告ガイドラインへの配慮が前提になります。「痛みゼロ」「絶対安全」といった断定的・誇張的な表現は避け、あくまで事実をもとに分かりやすく伝えることを意識してください。表現の注意点については、後半の章であらためて解説します。
平均掲載順位11〜20位の記事を改善する方法

次に優先して取り組みたいのが、平均掲載順位が11〜20位の記事です。
先ほど触れたとおり、11〜20位は2ページ目にあたります。あと少し評価が上がれば1ページ目に入る可能性があり、すでにある程度Googleから評価されているページだと考えられます。ゼロから記事を作るよりも、こうした「もう少しで上がりそうな記事」を優先的にリライトするほうが、効率よく改善につながりやすいです。
具体的な改善方法としては、次のようなものがあります。
- 検索クエリを見て、不足している見出しを追加する — そのページがどんなクエリで表示されているかを確認し、まだ答えられていない疑問があれば見出しごと追記します。
- 競合記事にあって自院記事にない情報を補う — 上位に表示されている記事と比べて、自院の記事に足りない観点を補います(ただし、コピーではなく自院の言葉でまとめます)。
- 関連記事から内部リンクを追加する — 関連する自院の記事から、このページへ自然にリンクを張ります。
- 診療ページへの導線を整える — 記事を読んだ人が、関連する診療内容ページへ進めるようにします。
- 古い情報を更新する — 制度や料金、診療体制などが変わっている場合は、最新の情報に更新します。
- FAQ(よくある質問)を追加する — 読者が抱きやすい疑問に短く答えるFAQを設けます。
- 医療広告表現を見直す — 追記の際に、断定的・誇張的な表現が混じっていないかを点検します。
これらの改善を行うときに役立つのが、記事そのものの作り方の基本です。どの見出しを立て、どんな順番で書くと読みやすく検索意図にも応えやすいかについては、クリニックのSEO記事の書き方で詳しく解説していますので、リライト作業の参考にしていただければと思います。
検索クエリをもとにしたリライト例
Search Consoleを見てリライトするときは、単に文字数を増やすのではなく、「実際に表示されているクエリに答えられているか」を確認することが大切です。
たとえば、既存記事が「ニキビ治療」をテーマにしているのに、Search Console上で「ニキビ跡 治療 皮膚科」というクエリで表示されているとします。その場合、記事内でニキビ跡についてほとんど触れていなければ、検索ユーザーの疑問に十分答えられていない可能性があります。
追加前の見出し例
- ニキビの原因
- ニキビの治療方法
- ニキビを悪化させないための注意点
追加後の見出し例
- ニキビの原因
- ニキビの治療方法
- ニキビ跡が残りやすいケース
- ニキビ跡の治療で皮膚科に相談する目安
- ニキビ治療とニキビ跡治療の違い
- ニキビを悪化させないための注意点
このように、検索クエリから読者の追加ニーズを読み取り、H2やH3として本文に反映します。ただし、医療行為に関する説明では、効果を断定したり、個別の症状に対して受診不要と判断させたりする表現は避ける必要があります。あくまで一般的な情報提供として、受診の目安や相談先を分かりやすく整理することが大切です。
検索クエリから新しい記事テーマを見つける方法

Search Consoleの面白いところは、既存記事の改善だけでなく、新しい記事テーマの発見にも使える点です。
検索パフォーマンスの「クエリ」を見ていると、自院が想定していなかった検索クエリで表示されていることに気づくことがあります。中には、「表示回数はそれなりにあるのに、そのテーマを正面から扱った記事が自院にない」というクエリも見つかります。こうしたクエリは、新規記事の有力な候補になります。
ここで一度立ち止まって考えたいのが、「既存記事に追記すべきか、新規記事を作るべきか」という判断です。
判断のポイントは、既存記事との役割の重なり方です。同じようなテーマの記事を複数作ってしまうと、検索エンジンがどちらを上位に表示すべきか迷い、結果としてどちらも順位が伸びにくくなる「カニバリゼーション(共食い)」が起きることがあります。これを避けるため、既存記事と役割が近いテーマは、新規記事を作るのではなく追記で対応するのが基本です。
一方、検索意図が明確に異なるテーマであれば、新規記事として独立させたほうが、読者にとっても検索エンジンにとっても分かりやすくなります。
クリニックで見つかりやすいクエリ例を挙げてみます。
- シミ取り ダウンタイム
- 親知らず 抜歯 痛い
- 発熱外来 いつ行く
- 花粉症 薬 眠くない
- ニキビ跡 治療 皮膚科
たとえば「シミ取り ダウンタイム」というクエリで表示されているのに、ダウンタイムについて正面から説明したページがなければ、専用の記事を作る価値があります。逆に、すでにあるシミ取りの記事の中で軽く触れているだけなら、その記事に見出しを追加して詳しく書く、という対応が考えられます。
何から記事にすればよいか迷う場合は、クリニックブログのネタに迷ったら?最初に書くべき5つの記事も参考になります。基本的なテーマを押さえたうえで、Search Consoleで見つけたクエリを加えていくと、記事のラインナップを無理なく広げられます。
また、見つけたクエリをどう整理し、どの言葉を軸に記事を設計するかについては、クリニックSEOのキーワード選定方法の考え方が役立ちます。クエリ発見と選定をセットで行うことで、行き当たりばったりにならない記事づくりがしやすくなります。
伸びている記事から診療ページへ内部リンクを追加する

ここで、SEOの目的に立ち返って考えてみます。
SEO記事がよく読まれるようになっても、読者が診療内容ページや予約ページへ進まなければ、予約や問い合わせにはつながりにくいものです。記事を読んで「なるほど」と納得しても、そこで離脱してしまえば、来院という次の行動には結びつきません。
そこで取り組みたいのが、伸びているブログ記事から、関連する診療ページへの内部リンクを追加することです。
このとき大切なのが、アンカーテキスト(リンクに表示される文字)の書き方です。「詳しくはこちら」のような曖昧な言葉ではなく、リンク先の内容が伝わる具体的な言葉にしましょう。
- 「ニキビ治療の診療内容はこちら」
- 「親知らず抜歯の流れはこちら」
- 「シミ取り治療の費用と流れはこちら」
こうした具体的なアンカーテキストにすることで、読者は「次にこのページを見れば、自分の知りたいことが分かる」と判断しやすくなります。診療ページへのリンクは、押し売りのように見せるのではなく、読者が次に知りたい情報へ自然に進める導線として設置することがポイントです。
なお、リンク先となる診療内容ページそのものが分かりにくいと、せっかく誘導しても予約につながりません。診療ページに何を書き、どう構成すると読者が安心して次の行動に進めるかについては、クリニックの診療内容ページの作り方で解説しています。
また、ブログ記事を予約や問い合わせという成果につなげる全体の流れについては、クリニックブログで集患する方法もあわせてご覧いただくと、記事から来院までの設計をイメージしやすくなります。
記事テーマ別のCTA文言例
内部リンクやCTA(予約・問い合わせへの誘導)は、記事のテーマと読者の状態に合わせて変えることが大切です。同じ「予約はこちら」でも、読者がまだ情報収集段階なのか、受診を具体的に検討しているのかによって、適切な見せ方は変わります。
| 記事テーマ | 誘導先 | CTA文言例 |
|---|---|---|
| ニキビ治療の記事 | ニキビ治療ページ | ニキビ治療の診療内容を見る |
| 親知らずの記事 | 親知らず抜歯ページ | 親知らず抜歯の流れを確認する |
| シミ取りの記事 | シミ取り治療ページ | シミ取り治療の費用と注意点を見る |
| 花粉症の記事 | アレルギー診療ページ | 花粉症治療について相談する |
| 発熱外来の記事 | 発熱外来ページ | 発熱時の受診方法を確認する |
このように、記事の内容とリンク先の内容をそろえることで、読者は次に取る行動をイメージしやすくなります。SEO記事から診療ページへ移動してもらうには、単にボタンを置くだけでなく、「その読者にとって次に必要な情報」を自然に提示することが重要です。
CTR・順位・表示回数ごとの改善優先順位

ここまで見てきた指標を組み合わせると、「どの記事から手をつけるべきか」の優先順位が見えてきます。状況別に整理したものが、次の表です。
| 状況 | 判断 | 優先度 | 改善アクション |
|---|---|---|---|
| 表示回数が多くCTRが低い | 検索結果では見られているが選ばれていない | 高 | タイトル・説明文改善 |
| 11〜20位で表示回数がある | あと少しで上位化できる可能性 | 高 | 追記・内部リンク追加 |
| 表示回数もクリックも少ない | 需要または評価が弱い | 中 | キーワード再検討 |
| 順位は高いが予約につながらない | 導線が弱い | 高 | CTA・診療ページ導線改善 |
| 急に表示回数が落ちた | インデックス・競合・季節性の確認が必要 | 中 | URL検査・競合確認 |
ここで気をつけたいのは、優先順位を決めずに全記事を一気に直そうとしないことです。すべての記事を同時に改善しようとすると、作業量が膨らみすぎて、運用そのものが続かなくなりがちです。
現実的には、まず「表示回数が多い」「CTRが低い」「11〜20位」という条件に当てはまる記事から見ていくのがおすすめです。これらは、改善による効果が比較的見えやすい記事だからです。効果が見えると改善作業も続けやすくなり、結果として運用が定着しやすくなります。
Search Consoleだけでは見えないこと

Search Consoleは、検索からの流入を分析するうえでとても役立つツールです。ただし、万能ではありません。Search Consoleで分かるのは、あくまで「検索結果での表示やクリック」までです。
たとえば、次のような情報は、Search Consoleだけでは確認できません。
- 記事を読んだあと、ページ内でどう行動したか
- 予約フォームまでたどり着いたか、予約が完了したか
- 問い合わせが何件発生したか
- 電話予約につながったか
これらを把握するには、別のツールや情報とあわせて見る必要があります。具体的には、サイト内の行動を分析できるGA4(Googleアナリティクス4)、予約システムの予約件数、問い合わせフォームの送信件数、電話の件数、広告を運用している場合は広告管理画面の数値などです。
ここで意識しておきたいのは、SEOの本来の目的です。SEOのゴールは検索順位を上げること自体ではなく、新患の予約や問い合わせにつなげることです。順位や表示回数はそのための途中の指標であり、最終的には「何件の予約・問い合わせにつながったか」を見ていく必要があります。
なお、本記事の著者は、Google 広告の検索広告認定資格およびGoogle 広告の測定認定資格を取得しており、SEO記事の改善だけでなく、問い合わせやWeb予約につながる計測導線の重要性も踏まえて解説しています。検索からの流入を増やすことと、その流入を予約・問い合わせという成果として正しく計測することは、車の両輪のような関係だといえます。
検索流入から予約・問い合わせまでを含めた、Web集患全体の考え方については、クリニックのWeb集患とは?で整理しています。順位だけを追いかけるのではなく、集患という目的から逆算して改善を考えたい方は、あわせてご覧ください。
Search Consoleの数値を見ても、どの記事や診療ページから改善すべきか判断が難しい場合があります。
自院サイトの改善点を整理したい方は、無料HP診断をご活用ください。
医療広告ガイドラインに配慮して改善する

Search Consoleで見つけたクエリに合わせて記事を追記・改善するときに、必ず意識していただきたいのが、医療広告ガイドラインへの配慮です。
検索されている言葉をそのまま使えば検索流入が増えやすいのは確かですが、医療機関のサイトは医療広告規制の対象となるため、表現には注意が必要です。特に次のような表現は避けるべきとされています。
- 「必ず治る」「100%治る」などの、効果を断定する表現
- 「絶対安全」「副作用は一切ない」などの、リスクがないと断定する表現
- 「地域No.1」「日本一」などの、客観的な裏づけのない最上級・優位性の表現
- 患者の体験談を、効果を保証するかのように見せる表現
自由診療を扱う場合は、さらに費用、リスク、副作用などの記載にも注意が必要です。料金を載せる場合は、何が含まれているのかを明確にし、想定されるリスクや副作用についても適切に記載することが求められます。
大切なのは、検索されている言葉をそのまま使うのではなく、医療広告ガイドラインに配慮した表現に整えたうえで記事に反映することです。たとえば「シミ取り 効果」というクエリがあったとしても、「必ずシミが消える」とは書けません。「どのような治療法があるか」「一般的にどのような経過をたどることがあるか」「受診の際に確認したい点は何か」といった、事実に基づく説明として整理する必要があります。
医療広告規制の具体的な内容については、厚生労働省の医療広告規制ページに公式の情報がまとまっています。判断に迷う表現があれば、まず公式の情報にあたることをおすすめします。
また、SEOの改善作業の中でやってしまいがちな失敗や、表現上の注意点については、クリニックSEOでやってはいけないこと12選でも具体的に取り上げています。改善のつもりがかえってリスクになってしまわないよう、あわせて確認しておくと安心です。
AIO・MEOとSearch Consoleの関係

最後に、Search Consoleの位置づけを少し広い視点で整理しておきます。
Search Consoleは、あくまでGoogleの「通常の検索結果」における分析に使うツールです。しかし、現在の検索環境は、通常の検索結果だけで完結しなくなってきています。
たとえば、検索結果の上部にAIによる概要(AIによってまとめられた回答)が表示されることがあります。また、地域名を含む検索や地図検索では、Googleビジネスプロフィール(旧Googleマイビジネス)の情報や口コミ、地図上の表示が、来院の判断に大きく影響します。患者さんは、通常の検索結果だけでなく、こうしたさまざまな見え方を通して医療機関を比較しているのです。
そのため、検索結果でどう見られるかを考えるときは、通常検索だけでなく、AIによる概要への対応(AIO)や、地図・口コミでの見え方(MEO)もあわせて考える必要があります。
AIによる検索や概要の時代に、クリニックのサイトがどう見られ、どう備えればよいかについては、クリニックのAIO対策とは?で解説しています。
また、Googleビジネスプロフィールや地図検索での見え方を改善する取り組みについては、クリニックのMEO対策とは?で詳しく扱っています。
Search Consoleはとても有用なツールですが、これ「だけ」で検索からの集患をすべて把握できるわけではありません。SEO(通常検索)、MEO(地図・口コミ)、AIO(AIによる概要)を合わせて見ていくことで、患者さんから見た自院の見え方を立体的に捉えられるようになります。
月1回のSearch Console改善チェックリスト

ここまでの内容を、実際の運用に落とし込めるよう、チェックリストの形で整理します。次の項目を順に確認していくと、改善のポイントを見落としにくくなります。
- 表示回数が増えているページを確認する — 検索需要が高まっているテーマを把握します。
- クリック数が増えているページを確認する — 流入が伸びているページに、予約導線が整っているかを点検します。
- CTRが低いページを確認する — タイトルやメタディスクリプションの改善候補を見つけます。
- 11〜20位の記事を確認する — あと少しで1ページ目に入りそうな記事を、優先的にリライト候補にします。
- 新しい検索クエリを確認する — 想定外のクエリから、追記や新規記事のヒントを得ます。
- 診療ページへ内部リンクを追加する — 伸びている記事から診療内容ページへの導線を整えます。
- 古い情報を更新する — 料金、制度、診療体制などの変更がないかを確認します。
- 医療広告表現に問題がないか確認する — 断定・誇張表現が混じっていないかを点検します。
- 問い合わせ・予約への導線を確認する — 記事から予約・問い合わせへ自然に進めるかを見直します。
- GA4や予約システムの数値も合わせて確認する — 検索流入が実際の予約・問い合わせにつながっているかを確認します。
これらを聞くと作業量が多く感じられるかもしれませんが、院内で毎日Search Consoleを見る必要はありません。検索順位や表示回数は日々細かく変動するため、毎日見ても一喜一憂してしまいがちです。
現実的には、まず月1回の改善サイクルから始めるのがおすすめです。月に一度、上記のチェックリストに沿ってデータを見て、優先度の高い数本の記事を改善する。この程度のペースであれば、診療の合間でも無理なく続けやすいはずです。継続できる仕組みにすることが、結果的に最も大きな差につながります。
自院で改善するのが難しい場合は外注も選択肢

ここまで読んで、「やるべきことは分かったが、自院だけで続けるのは難しそうだ」と感じた方もいらっしゃるかもしれません。
実際、Search Consoleを見るだけでは成果にはつながりません。データを見たうえで、キーワードの選定、記事の制作、リライト、内部リンクの設計、診療ページの改善、CTA(予約・問い合わせへの誘導)の改善まで、一連の作業を継続する必要があります。これらをすべて院内で抱えるのは、診療を行いながらでは負担が大きいのが実情です。
院内での継続が難しい場合は、医療機関向けのSEO記事制作やブログ外注を検討するのもひとつの選択肢です。専門の制作者に任せることで、院内のリソースを診療に集中させながら、SEO改善を継続できる体制を作れます。
ただし、外注先を選ぶ際には注意したい点があります。それは、「記事を納品して終わり」ではなく、公開後にSearch Consoleを見ながら改善まで対応してくれるかどうかです。SEO記事は公開してからの改善が成果を左右するため、ここに対応してくれるかどうかは、外注先を見極める重要なポイントになります。
外注先を選ぶ際の具体的な視点については、クリニックブログ外注の選び方で整理しています。あわせて、SEO記事の制作やリライトそのものを外注する場合の判断基準については、医療記事制作代行の選び方が参考になります。価格だけで選ぶのではなく、医療広告ガイドラインへの理解や、改善まで継続できる体制があるかを確認していただくとよいでしょう。
まとめ
最後に、本記事の要点を整理します。
Search Consoleは、クリニックSEOの改善に欠かせない無料ツールです。これを使うことで、感覚ではなくデータをもとに記事を改善できるようになります。
見るべき基本指標は、クリック数・表示回数・CTR・平均掲載順位の4つです。これらを組み合わせて見ることで、どの記事から手をつけるべきかの優先順位が見えてきます。具体的には、表示回数が多いのにクリックされていないページ、CTRが低いページ、平均掲載順位11〜20位の記事から改善していくのが効率的です。
そして、記事の改善だけで満足せず、診療ページへの導線、予約・問い合わせへの導線、医療広告表現の適切さまで含めて見直すことが大切です。Search Consoleだけでは予約や問い合わせの数までは見えないため、GA4や予約システムの数値ともあわせて、最終的な成果につながっているかを確認しましょう。
SEOは、記事を公開して終わりではありません。Search Consoleを見ながら継続的に改善していくことで、検索からの流入は少しずつ積み上がり、長期的にはクリニックの集患を支える資産になっていきます。まずは月1回、できる範囲から始めてみてください。
この記事の著者

生井 亮|エレファント・ブレイン合同会社 代表
エレファント・ブレイン合同会社代表。医療機関向けに、クリニック専門のSEOコラム制作・改善支援サービス「スマートコラム」を提供している。
医療広告ガイドラインや薬機法、景品表示法、特定商取引法などに配慮しながら、クリニックのホームページから新患予約につなげるためのキーワード選定、記事制作、内部SEO、公開後の改善運用を支援。
YMAA認証、KTAA認証を取得。Google広告「検索広告」認定資格および「測定」認定資格も取得しており、SEOだけでなく広告運用・計測の観点も踏まえたWeb集患支援を行っている。
リクルートやUber Eats日本法人立ち上げ期などでの事業開発コンサルティング・マーケティング経験をもとに、単なるアクセス数の増加ではなく、問い合わせ・予約・商談につながる導線設計を重視している。


