歯科医院・病院の集患方法とは?11の具体策と成功のポイントを解説
歯科医院・病院の集患方法に悩む経営者や事務長は少なくありません。ホームページを作ったのに患者が増えない、以前は順調だったのに最近新患が減ってきた――こうした悩みを抱える医療機関は少なくありません。集患は一度施策を打てば終わりというものではなく、自院の強みを見極め、オンライン・オフラインの施策を組み合わせて継続的に取り組む必要があります。
本記事では、歯科医院・病院それぞれの特性を踏まえた集患の具体的な方法と、成功させるためのポイントを解説します。
集患とは?歯科医院・病院にとって重要な理由
集患とは、医療機関が新しい患者を獲得するための取り組み全般を指す言葉です。看板やホームページ、口コミといった様々な手段を通じて、来院のきっかけをつくる活動と言い換えることもできます。(→集患の定義や増患との違いをより詳しく知りたい方は「集患とは?増患との違い・意味・具体的な対策方法まとめ」もあわせてご覧ください。)
集患と増患の違い
集患と混同されやすい言葉に「増患」があります。集患が主に新規患者の獲得を指すのに対し、増患は既存の患者を含めた患者数全体を増やす取り組みを指すことが多く、再診率の向上やリピート施策も含まれます。両者は明確に切り分けられるものではなく、実務上は「新患の獲得」と「継続来院の促進」を両輪で考えることが重要です。
歯科医院・病院で集患対策が重要な理由
歯科医院・病院にとって集患が重要な理由は、大きく2つあります。1つは経営の安定です。新患・再診患者の数は収益に直結するため、集患対策を怠ると経営基盤そのものが揺らぎかねません。もう1つは地域医療ニーズへの対応です。地域住民が必要なタイミングで自院の存在を知り、適切な医療につながることは、経営面だけでなく地域医療への貢献という観点でも意味があります。
集患対策を始める前に確認すべきこと
歯科医院・病院の集患方法を検討する前に、まず自院の現状を整理しておくことが成功の近道です。
自院の強み・診療科の特徴を整理する
何を「選ばれる理由」にするのかを明確にする
診療科目、専門性、設備、立地、スタッフの体制など、自院ならではの強みを言語化しておきましょう。他院との違いが明確になっていないと、後述するホームページやチラシなどの施策で「何を伝えるべきか」がぶれてしまいます。
ターゲットとなる患者層・地域のニーズを把握する
誰に来てもらいたいのかを具体化する
診療圏内にどのような世代・ニーズを持つ患者が多いのかを把握することも欠かせません。例えば子育て世帯が多い地域であれば小児対応や予約のしやすさが、高齢者が多い地域であれば送迎や院内のバリアフリー対応が重視される傾向があります。
集患の数値目標を設定する
施策の成果を判断できる基準をつくる
「新患数を月◯人増やす」「Web経由の予約を◯件にする」など、具体的な数値目標を設定しておくと、後述する施策の効果検証がしやすくなります。目標がないまま複数の施策を並行すると、何が効果的だったのか判断が難しくなる点に注意が必要です。
目標設定の例(架空の数値です。自院の診療科目・規模に応じて設定してください)
| 項目 | 現状(例) | 目標(例) |
|---|---|---|
| 月間新患数 | 20人 | 30人 |
| Web予約経由の新患数 | 5人 | 15人 |
| Googleビジネスプロフィールの月間表示回数 | 800回 | 1,500回 |
| 口コミ件数(累計) | 15件 | 40件 |
歯科医院・病院の集患方法として効果的なオンライン施策
ホームページの最適化
患者が来院前に確認する「医院の顔」を整える
多くの患者は来院前にホームページで診療内容やアクセス、院内の雰囲気を確認します。診療時間や予約方法などの基本情報に加えて、スタッフや院内の写真を掲載し、スマートフォンでも見やすいデザインにすることが重要です。 (→ホームページのSEO対策を詳しく知りたい方は「クリニックのホームページSEO対策」もご参照ください。)
SEO対策
検索から継続的に患者との接点をつくる
「地域名+診療科目」など、患者が実際に検索するキーワードで自院のホームページが上位表示されるように、コンテンツやサイト構造を整えるのがSEO対策です。症状や治療法に関するコラムを継続的に発信することで、検索経由の新規患者との接点を増やすことができます。
例えば月2〜4本を目安に、「症状名+対処法」「地域名+診療科目」などのキーワードを軸にしたコラムを継続発信すると、半年〜1年程度で検索経由の流入が育ってくるケースが多く見られます(効果が出るまでの期間は競合状況やキーワードの難易度によって異なります)。
MEO対策(Googleビジネスプロフィール)
Googleマップから地域の患者に見つけてもらう
Googleマップやローカル検索で上位表示されるための対策がMEO(マップエンジン最適化)です。Googleビジネスプロフィールの情報を正確に登録し、診療時間や写真を定期的に更新することで、近隣で検索した患者からの来院につながりやすくなります。
Googleビジネスプロフィール最適化のチェック例
- 診療科目・診療時間・休診日が最新の情報になっているか
- 院内・外観・スタッフの写真を複数枚掲載しているか
- 投稿機能を使って定期的に最新情報を発信しているか
- 「よくある質問」機能に患者からの質問と回答を登録しているか
口コミ対策
来院前の不安を減らし、医院選びを後押しする
Googleビジネスプロフィールや医療系ポータルサイトの口コミは、来院を検討する患者にとって重要な判断材料です。来院後のアンケートなどを通じて自然な口コミ投稿を促す仕組みを整えるとともに、寄せられた口コミには誠実に返信する姿勢も信頼獲得につながります。
口コミ返信の例
好意的な口コミへの返信例:
「この度はご来院・口コミ投稿をいただきありがとうございます。いただいたお言葉を励みに、スタッフ一同さらに丁寧な診療を心がけてまいります。」
改善を求める口コミへの返信例:
「貴重なご意見をありがとうございます。お待たせしてしまい申し訳ございませんでした。ご指摘を踏まえ、予約枠の見直しを進めております。」
テンプレートを用意しつつ、個別の状況に触れて返信することで誠実さが伝わりやすくなります。
SNS運用
ホームページだけでは伝わらない医院の雰囲気を届ける
InstagramやX(旧Twitter)などのSNSは、診療内容の紹介や院内の様子を発信することで、ホームページだけでは伝えきれない雰囲気やスタッフの人柄を伝えられる手段です。継続的な発信が求められるため、更新の負担も踏まえて運用体制を検討しましょう。
Web広告
短期間で見込み患者へアプローチする
リスティング広告やSNS広告を活用すれば、開業直後などSEOの効果が出るまでに時間がかかる場面でも、比較的短期間で新患の来院につなげやすくなります。ただし広告表現には医療広告ガイドライン上の制約があるため、出稿前の確認が欠かせません(注意すべき表現の例は後述の「集患対策を行う際に注意すべき医療広告ガイドライン」をご参照ください)。
SEO・MEO・口コミ対策を継続する時間がない方へ
日々の診療と並行して、SEOコラムの制作やMEO・口コミ対策を継続するのは簡単ではありません。 当社では、クリニックのWeb集患を継続的に支援しています。
スマートコラム
SEOを意識した医療コラムの企画・制作を支援します。
スマートレビュー
口コミ・MEO対策を通じて、Googleマップからの集患を支援します。
歯科医院・病院の集患方法として効果的なオフライン施策
看板・交通広告
地域での認知を継続的に高める
医院の存在を知らせる基本的な手段として、看板や駅・バスなどの交通広告があります。通行人や近隣住民の目に留まりやすい場所への設置が効果的です。
チラシ・ポスティング
狙った診療圏へ直接情報を届ける
開業時や新しい診療メニューの案内など、特定のタイミングで地域住民に直接情報を届けたい場合はチラシのポスティングが有効です。診療圏を絞って配布することで、効率よく認知を広げられます。
地域連携・紹介による集患
地域の医療・介護ネットワークから紹介につなげる
近隣の医療機関や薬局、介護施設などとの連携を通じて患者を紹介し合う関係を築くことも、地道ながら効果の高い集患方法です。特に病院では、この地域連携が新患獲得の大きな比重を占めるケースが少なくありません。
院内イベント・健康セミナーの開催
地域住民との接点をつくり、医院を身近に感じてもらう
健康セミナーや院内イベントの開催は、地域住民との接点を増やし、自院を身近に感じてもらうきっかけになります。参加者との会話の中で、普段聞きにくい健康相談に応じられる点もメリットです。
【病院向け】地域医療連携を活かした集患のポイント
病院の集患は、クリニック(診療所)とは異なり、地域の診療所からの紹介によって成り立つ部分が大きいという特徴があります。
かかりつけ医・診療所からの紹介を増やす仕組みづくり
地域のかかりつけ医との関係構築は、病院にとって重要な集患チャネルです。診療内容や対応可能な症例を分かりやすくまとめた紹介状フォーマットの整備、地域の診療所への定期的な情報提供などを通じて、紹介のしやすさを高めることがポイントです。
紹介状フォーマットに含めると親切な項目の例
- 紹介元で実施済みの検査・処置内容
- 対応可能な症例・受け入れ窓口の連絡先
- 紹介患者専用の予約枠・予約方法(用意している場合)
- 逆紹介(病院からかかりつけ医への紹介)の方針
地域包括ケア・多職種連携への対応
高齢化が進む地域では、医療だけでなく介護や福祉との連携も求められます。地域包括ケアシステムの一員として、他職種との連携窓口を明確にしておくことが、結果的に紹介・来院の増加につながります。
【歯科医院向け】自由診療・リコール率を軸にした集患のポイント
歯科医院の場合は、保険診療に加えて自由診療の比重や、定期的な通院(リコール)の有無が集患・経営に大きく影響します。
自由診療・専門メニューの打ち出し方
インプラントや矯正、審美治療など自由診療メニューを提供している場合は、それぞれの特徴や費用の目安をホームページ上で分かりやすく伝えることが重要です。医療広告ガイドラインに沿った表現かどうかを必ず確認しながら、患者が比較検討しやすい情報を提供しましょう。
情報提供の例(Before/After・いずれも掲載可否は要確認)
| Before(伝わりにくい例) | After(伝わりやすい例の方向性) |
|---|---|
| 「インプラント治療を行っています」 | 治療の流れ・費用の目安・保証内容・リスクや副作用まで含めて説明する |
| 「矯正歯科もあります」 | 対応可能な矯正方法(ワイヤー・マウスピース等)、相談の申し込み方法まで案内する |
※費用や保証年数、限定解除要件を満たす場合の詳細情報などの掲載可否は、医療広告ガイドラインに沿って必ず確認してください。
定期検診・リコールによる再来患者の確保
歯科医院の集患は新患獲得だけでなく、定期検診の案内(リコール)による再来率の維持も収益の安定に直結します。予約システムやSMS・LINEなどを活用したリマインド施策は、リコール率向上に効果的です。
集患対策を行う際に注意すべき医療広告ガイドライン
集患のための情報発信は、医療法に基づく医療広告ガイドラインの規制対象となります。誇大な表現や、他院との比較優良性を強調する表現、体験談の掲載などは規制されている場合があるため、ホームページやチラシ、Web広告の制作時には必ず最新のガイドラインを確認してください。判断に迷う表現がある場合は、専門家への相談や自治体への確認も検討しましょう。
注意が必要とされやすい表現の例(一般的な傾向の紹介であり、最終判断ではありません)
| 分類 | 注意が必要とされやすい表現の例 | 一般的な理由 |
|---|---|---|
| 比較優良表現 | 「地域No.1の◯◯治療」 | 客観的根拠なく他院より優れていると示す表現は規制対象とされやすい |
| 誇大な表現 | 「絶対に治る」「痛みが全くない治療」 | 効果を保証する表現、誇大な表現は規制対象とされやすい |
| 体験談 | 患者の体験談・感想の掲載 | 治療効果に関する体験談は原則掲載できないとされている |
| 術前術後写真 | 詳細な説明のない術前術後(ビフォーアフター)写真 | 説明のない掲載は規制対象とされやすい(一定の要件を満たせば掲載できる場合がある) |
※上記はあくまで一般的な傾向の紹介です。個別の表現が問題ないかは、必ず最新の医療広告ガイドライン・専門家への確認のうえ判断してください。
医療広告ガイドラインの詳細は、厚生労働省の医療広告規制に関する案内もあわせて確認してください。
集患を成功させるための5つのポイント
オンライン・オフライン施策を組み合わせる
いずれか一つの施策に頼るのではなく、ホームページやSEOといったオンライン施策と、看板やチラシなどのオフライン施策を組み合わせることで、幅広い層へのアプローチが可能になります。
施策の効果検証とPDCAを回す
集患対策の数値目標(新患数、Web経由の予約数など)に対して、実施した施策がどの程度貢献したかを定期的に振り返ることが重要です。効果の薄い施策は見直し、効果の高い施策にはリソースを重点的に配分しましょう。
振り返りに使うKPIの例: Web経由の予約数、電話問い合わせ数、Googleビジネスプロフィールの表示回数・アクセス数、口コミ件数・平均評価、コラムページのアクセス数など。月次で一覧化し、施策ごとの効果を比較すると改善点が見えやすくなります。
スタッフ教育・院内満足度の向上
集患で新患を獲得できても、来院時の対応や院内の雰囲気に満足してもらえなければ、口コミの悪化や再診率の低下につながります。受付対応や説明の分かりやすさなど、スタッフ教育も集患対策の一部として捉えることが大切です。
新患獲得だけでなく再診率(リピート)も重視する
新患獲得にばかり注力すると、集患コストが経営を圧迫しかねません。既存患者の満足度を高め、再診・紹介につなげることも、長期的に見て効率の良い集患につながります。
他院との差別化ポイントを明確に伝える
診療圏内には競合となる医療機関が存在するのが一般的です。自院ならではの強みや専門性を、ホームページや院内掲示、スタッフの説明などあらゆる接点で一貫して伝えることが、選ばれる医院になるための鍵になります。
よくある失敗パターンと改善のヒント
単発施策で終わってしまう
ホームページを開設した、チラシを一度配布した、といった単発の施策で満足してしまうケースは少なくありません。集患は継続的な取り組みであるという前提に立ち、中長期の計画を立てることが重要です。
自院の強みが患者に伝わっていない
診療内容や設備は充実していても、その情報が患者に十分伝わっていなければ来院にはつながりません。専門用語を避け、患者目線で分かりやすく伝える工夫が求められます。
施策の効果検証ができていない
「なんとなく」施策を続けていると、どこに課題があるのか把握できないまま時間だけが過ぎてしまいます。アクセス解析や予約経路の記録など、簡易的な仕組みでもよいので効果測定の手段を用意しておきましょう。
よくあるケース(理解を助けるための架空の例です)
開業3年目のBクリニックは、開業時にホームページを制作したまま更新をしておらず、SEO・MEOへの取り組みも手つかずでした。近隣に新しいクリニックが開業したことをきっかけに新患数が減少しましたが、ホームページの情報更新とGoogleビジネスプロフィールの整備、月2本のコラム発信を半年間継続したところ、Web経由の新患予約が徐々に増加しました。
※本ケースは説明のための架空の例であり、実在する事例・統計ではありません。実際の効果は施策内容や地域特性、競合状況などにより異なります。
よくある質問(FAQ)
集患とは何ですか?
集患とは、医療機関が新しい患者を獲得するための取り組み全般を指す言葉です。ホームページ・SEO・MEO・口コミ・看板・地域連携など、様々な手段を通じて来院のきっかけをつくる活動を指します。
集患と増患の違いは何ですか?
集患は主に新規患者の獲得を、増患は既存患者を含めた患者数全体(再診・リピートを含む)を増やす取り組みを指すことが多い言葉です。実務上は両方を組み合わせて考えることが重要です。
病院が集患するにはどうすればいいですか?
病院の場合は、ホームページやSEOなどのオンライン施策に加えて、地域のかかりつけ医・診療所からの紹介を増やす地域医療連携の強化が特に重要です。
歯科医院の集患方法にはどのようなものがありますか?
ホームページ・SEO・MEO・口コミ対策などの一般的な施策に加え、自由診療メニューの分かりやすい訴求や、定期検診(リコール)による再来率の向上が歯科医院特有のポイントになります。
まとめ
歯科医院・病院の集患方法は、ホームページやSEO・MEOといったオンライン施策と、看板・地域連携などのオフライン施策を組み合わせ、継続的にPDCAを回すことで成果につながります。特に病院は地域医療連携、歯科医院は自由診療とリコール率という、それぞれの特性を踏まえた施策の設計が重要です。
「何から手をつければよいか分からない」「日々の診療で施策を継続する時間が取れない」という場合は、集患支援の専門家に相談するのも一つの方法です。当社では、SEOコラム制作(スマートコラム)、口コミ・MEO改善(スマートレビュー)、集患支援コンサルティングを通じて、クリニック・病院の「検索で見つかり、口コミで選ばれる」ホームページづくりを支援しています。自院の状況を踏まえた改善提案をご希望の方は、お問い合わせページよりお気軽にご相談ください。
この記事の著者

生井 亮|エレファント・ブレイン合同会社 代表
エレファント・ブレイン合同会社代表。医療機関向けに、クリニック専門のSEOコラム制作・改善支援サービス「スマートコラム」を提供している。
医療広告ガイドラインや薬機法、景品表示法、特定商取引法などに配慮しながら、クリニックのホームページから新患予約につなげるためのキーワード選定、記事制作、内部SEO、公開後の改善運用を支援。
YMAA認証、KTAA認証を取得。Google広告「検索広告」認定資格および「測定」認定資格も取得しており、SEOだけでなく広告運用・計測の観点も踏まえたWeb集患支援を行っている。
リクルートやUber Eats日本法人立ち上げ期などでの事業開発コンサルティング・マーケティング経験をもとに、単なるアクセス数の増加ではなく、問い合わせ・予約・商談につながる導線設計を重視している。


